過去にあった映像・音声メディア③
本日はメージャーどころの「カセットテープ」に取り上げたいと思います。
まずはご先祖の「オープンリール(英語圏ではリール・トゥ・リール(Reel-to-reel))について
見たいと思います。
1960年代にリール型の磁気記録ユニットとして誕生しました。
弱点は埃や取り扱いですが、記録密度が簡素でわかり易いため、切り貼りや頭出し
が容易に出来、主に放送局やマニアの間で普及しました。
1962年にフィリップスからコンパクトカセット(俗に言う:音楽カセット)
対抗馬の8トラックカートリッジの攻防が始まるのでした。
8トラック(8トラ)は主にバスの停留所案内やカラオケ
コンパクトカセットは(音声記録用:テレコ)と言う名目で普及していきました。
かくして60年代後半に日本のTDK(東京電気化学工業)が音楽も録れる。カセットテープ
を発売し8トラを覆い隠す勢いで発展しました。
そのうちにはオープンリールをケース化したエルカセット(ELカセット)と言われる規格
でるもののフィリップスが(オープンな規格)として発表したコンパクトカセット(Cカセット)
が爆発的な普及でELカセットや8トラは駆逐されるのでした。弱点は機械の精度やテープの精度の相性で「音質や再生速度が変わる」所で
長所は今現在存在できる信頼性の高い記憶メディアであることです。
後者の意味やオープン規格・扱いが容易のため、世界ではまだ標準の記憶メディアです。
A&D(アカイ・ダイヤトロン:今は無い)や中道研究所:ナカミチ・TEACなど
技術的精通したメーカーの製品は高精度なレコーダを出すものの
一般的には自己録再が主なプレーヤーが主です。
主にその原因を作ったのは「ラジカセ及びウォークマン(SONY)」
の登場で手軽に音楽が楽しめるをコンセプトにした物です。
機械精度がともかく耐久性などを考慮した設計なので音質面はしょうがないのです。
そして安価な海外製のテープもそれを拍車をかけて。
カセットテープ=音質は良くないと言う面を一般の方に植え付けるのでありました。
※ちゃんとしたデッキ上とテープで記憶した物はCDに近い音が楽しめます
(あしからず)
かくして’90年代デジタル化の波でMD(ミニディスク)やDAT(デジタルオーディオテープ)
DCC(デジタルコンパクトカセット)の登場で危険な状況になるものの
上記のメディアやレコーダの値段の関係上
致命傷にならず、今後出てくる、シリコンプレーヤー(iPADなど)で半場終焉を
迎えることになりました。
現在は一部のユーザー向けや新興国ではまだシェアがあり完全に無くなること
無いですが、どんどん縮小方向へ進んでいます。
記録の保存性が良いため、データレコーダーとかにも使用されましたが。
4半世紀音楽を支えた記憶媒体の凄さを皆様が味わえず、少し残念な点もありますが
保存性の高さを(昔のテープでも音楽は聞ける)再認識していただきますと、凄いメディアであったことを再確認できると思います。